街路樹も少しづつ紅葉が始まり、秋本番となった10月27(日)、
市立「花の北市民広場」に於いて定例鑑賞会(10月)を開催しました。
参加者は22名とやや少なかったですが、その分しっかりと鑑賞が出来て、
新たな習得も大きい会になりました。
また新たな会員や講座受講の方の参加もあり、大変嬉しい出来事でした。
今回の鑑賞刀は、著名な刀工あり、また出会いの稀少な刀工ありと
大変勉強になりました。
参加者は真剣な眼差しで、鑑賞や鑑定に没頭されていました。
鑑賞・鑑定刀は以下のとおりでした。
1号刀:大磨上(二代信国) (山城国・南北中期~末期)
種類:刀 鎬造り 三ツ棟 2尺2寸
刀姿:身幅広く、元先の幅差開かず、反り浅く、重ね薄い。
地鉄:板目肌つみ、刃寄りに流れ柾はいり、地沸つき、地景入る。
刃文:互の目、湾れ、処々互の目2個連れ、沸よくつき、匂口明るく冴え、
金筋・砂流し頻り入る。
帽子:乱れ込み、小丸に返る。
彫物:棒樋、梵字、素剣(重ね彫)
備考:大仰な刀姿、刃寄りが流れる地鉄、互の目(2個連れ)の刃文、
沸の働きが頻り、巧みな彫物など「二代信国」の特徴が表れています。
2号刀:備州長船宗光 為家秀 文明十七年八月日 (備前国・室町後期)
種類:刀 鎬造り 庵棟 2尺1寸5分
刀姿:身幅尋常、元先の幅差小さく、やや先反りつき、重ね頃合い。
鎬地を削ぎ、鎬筋やや高い。
地鉄:小板目肌よくつみ、地沸つき、乱れ映り鮮明に立つ。
刃文:互の目、丁子、複式互の目まじり、小沸よくつき、
足・葉入り、金筋・砂流しかかる。
帽子:乱れ込み、小丸にやや深く返る。
備考:やや寸法詰まり、先反り気味の姿、精美な地鉄、複式互の目入り、
地刃明るく冴え、焼き深く長めに返る帽子など
「末備前」注文打ち・入念作の特徴が表れています。
3号刀:尾崎源五右衛門助隆 寛政元年二月日 (摂津国・江戸後期)
種類:短刀 平造り 庵棟 9寸9分
刀姿:身幅広く、寸法のび、反り浅く、重ね厚い。
地鉄:小板目肌よく詰み、細かに肌目立ち、地沸つく。
刃文:大阪焼出し、大互の目・湾れ・濤瀾乱れ、小沸つき、匂口深く
明るく冴える。
帽子:焼深く、直ぐ入り、丸に返る。
備考:江戸後期(新々刀)の短刀姿、小板目がよく詰んだ地鉄、
大阪焼出し、濤瀾乱れが明るく冴え、創始者「助広」に迫る作です。
4号刀:丹波守吉道(京二代) (山城国・桃山~江戸最初)
種類:脇指 平造り 庵棟 1尺3寸1分
刀姿:身幅広く、寸法のび、反りつき、重ね厚い。
地鉄:板目肌、総体に流れ、やや肌目立ち、地沸つく。
刃文:京焼出し、互の目・湾れ交じり、沸よくつき、匂口深く
金筋・沸筋・砂流し・湯走りかかり、部分的に縞状となる。
帽子:浅く湾れ込み、突き上げ、先尖りごころに深く返る。
備考:桃山期(平造り)の姿、総体に流れた肌、独特の焼刃(簾刃状)、
特徴のある帽子(三品風)に丹波守吉道の見所が表れています。
5号刀:尾崎源五右衛門助隆 寛政七年八月日 (摂津国・江戸後期)
種類:脇指 鎬造り 庵棟 1尺2寸1分
刀姿:身幅やや広く、元先の幅差小さく、中鋒、反り浅く、重ね厚い。
地鉄:小板目肌よくつみ、無地風となり、地沸つく。
刃文:大阪焼出し、互の目・濤瀾乱れ、小沸つき、匂口明るく冴える。
帽子:焼深く、直ぐに入り、丸に返る。
備考:無地風の地鉄、特徴ある濤瀾乱れ(向い合う乱れの谷が角ばる)、
に助隆の特徴がよく表れています。
また創始者「助広」を写した茎(茎尻・鑢目・銘)にも
「憧憬の念」の強さが表れています。
十月も下旬となり、いつの間にか周囲の山々の紅葉が始まっています。
都会では大人達が「ハロウィン」で賑わっていますが、
田舎では子供達が「亥の子」の準備で盛上がっています。
ご健康には充分注意して頂き、次回も楽しい一日になります様願っています。
次回の日程等は、「HPお知らせ」や「ご案内葉書」でお知らせ致します。